「寝る前に頭が冴えてしまって眠れない」
「布団に入っても思考が止まらない」
そんなとき、スマホを見たりサプリを飲んだりする前に試してほしいのが、“呼吸法”です。
深くてゆっくりとした呼吸は、脳と体に「リラックスしていいよ」という合図を送り、副交感神経を優位にして自然な眠気を誘います。
この記事では、寝る前にぴったりな初心者でも簡単にできる呼吸法を3つ紹介します。どれも3分以内でできて道具不要
■ 呼吸と睡眠の深い関係
私たちの自律神経には、
- ・活動モードの「交感神経」
- ・休息モードの「副交感神経」
の2種類があり、この切り替えがうまくいかないと、眠りが浅くなったり、寝つきが悪くなったりします。
そして、呼吸は自律神経に直接アプローチできる数少ない手段のひとつ。
特に、吐く時間を長くした呼吸は、副交感神経を活性化させて心拍数を落ち着かせ、脳を“おやすみモード”に導いてくれます。
■ 寝る前におすすめの呼吸法3選
それでは、具体的に試してほしい呼吸法を3つご紹介します。どれも寝る前に横になったままでもできる方法です。
① 4-7-8 呼吸法(フォー・セブン・エイト)
世界的に有名なリラクゼーション呼吸法。アメリカの医学博士アンドルー・ワイル氏が提唱。
- 1. 息を完全に吐ききる
- 2. 鼻から4秒かけて吸う
- 3. 息を止めて7秒キープ
- 4. 口から8秒かけてゆっくり吐く
この「吸う:止める:吐く」の比率が、自律神経に深いリラックスを促します。
2~3セット繰り返すだけで、心拍と脳が落ち着いてくるのを感じる人も多いです。
② 片鼻呼吸(ナーディ・ショーダナ)
ヨガで行われる古典的な呼吸法で、左右の鼻を交互に使って呼吸することで、脳の左右バランスを整える効果が期待されます。
- 1. 右手の親指で右の鼻を押さえ、左の鼻からゆっくり息を吸う
- 2. 薬指で左の鼻を押さえ、右の鼻から息を吐く
- 3. 右の鼻から息を吸い、左の鼻から吐く(これで1セット)
これを5回繰り返すだけで、脳内のざわざわ感がスッと落ち着いてくる感覚があります。
③ 腹式呼吸(お腹に意識を向ける)
一番シンプルで、初心者でも取り組みやすい呼吸法。
- 1. 仰向けになって、片手をお腹にのせる
- 2. 鼻から息を吸って、お腹が膨らむのを感じる
- 3. 口から細く長く息を吐いて、お腹が凹むのを感じる
1回あたり5秒吸って、7〜10秒吐くくらいのペースで、3分ほど繰り返せばOK。
この呼吸法は副交感神経を優位にするだけでなく、自分の身体感覚に意識を向ける“マインドフルネス効果”も期待できます。
■ 実践のコツ:環境を整えると効果アップ
呼吸法は単体でも効果がありますが、以下のような環境づくりを加えると、さらにリラックス効果が高まります。
- ・部屋の照明を暗めに(電球色・間接照明)
- ・アロマを炊く(ラベンダー・ベルガモットがおすすめ)
- ・ゆったりした音楽 or ホワイトノイズを流す
- ・寝具や枕を快適なものにしておく
また、「眠ろう」とせずに、「ただ呼吸を整える」ことに集中するのがポイント。
眠気は、意識を手放したときに自然に訪れます。
■ 呼吸を整えることは、“自分を整える”こと
忙しい日々の中で、私たちは知らず知らずのうちに呼吸が浅く、速く、緊張型になっています。
だからこそ、寝る前のたった3分、呼吸に意識を向けることで、
- ・思考が静まり
- ・自律神経が整い
- ・心と体が“眠る準備”に入る
そんな風に、自分をやさしく包みこむ時間を持つことが、自然な睡眠を呼び戻す第一歩になるのです。
■ まとめ|眠れない夜に「呼吸」が効く理由
「何をやっても眠れない…」
そんな夜は、あれこれ考えるのではなく、“自分の呼吸”を感じることから始めてみてください。
おすすめの3つの呼吸法:
- ① 4-7-8 呼吸法(自律神経を整える)
- ② 片鼻呼吸(脳の左右バランスを整える)
- ③ 腹式呼吸(全身を深いリラックスへ)
すべて3分以内・道具なし・横になったままOKです。
呼吸を変えれば、眠りが変わる。
眠りが変われば、人生が少しずつ整っていきます。